ファイナンス

投資家がイー・アクセス株を手放す本当の理由

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ソフトバンクとイー・アクセス

2012年10月1日、ソフトバンクがイー・アクセス社の買収(経営統合)を発表した。
イー・アクセスはWi-fi通信のイーモバイルで有名な会社。

これまでイー・アクセスの株価は15,000円前後で推移していたが、ソフトバンクがイー・アクセス株を52,000円と評価したことで、株価は急騰。株式市場では現在も値段が付かない状況が続いている。

しかし、15,000円だったイー・アクセス株が52,000円と評価されたにもかかわらず、23,000円でイー・アクセス株を売却する投資家がいることで話題となっている。
(詳しい説明は省くが、株価はおそらく52,000円よりも低い価格で値段が付くと思う。しかし、どう考えても23,000円で売るのはもったいないということを前提に話をすすめる)

詳細についてはこのサイトを見ていただきたい。
参照:一株52,000円で売れそうなイー・アクセス株を人はなぜ半値以下の23,000円で売ってしまうのか?
http://kabumatome.doorblog.jp/archives/65711998.html

23,000円という安い価格で投資家が株式を売却する理由として、上記サイトでは次の6つの理由があげられている。

Q.なぜ投資家は52,000円で売れそうなイー・アクセス株を半値以下で売り急ぐのか?

1.とにかくお金に困ってるので売り注文を出している

2.通信会社の株主なのにまさかの情報弱者で何も知らずに売り注文を出している

3.ソフトバンク孫社長がとにかく胡散臭くてペテン禿だと信じて疑わないので売り注文を出している

4.信用取引で買ったイー・アクセス株の信用期日が本日であり有無を言わさず強制的に売り注文が出ちゃってる

5.筆頭株主のゴールドマン・サックス絡みで問題が生じるリスクを回避するために売り注文を出している

もちろん、投資家それぞれに思惑や考え方があり、売却理由は皆違うと思う。
しかし、イー・アクセス株を売却する最も多い理由として、私はこう考えている。

売却理由は「投資の既成概念」

一部の投資家がイー・アクセス株をかなりもったいない価格で売却してしまう理由は、「投資の既成概念」によるものだと思う。
これは、投資をしている人には広く知られている内容だ。

投資では取引ルールを作ること

投資の既成概念に「ルールを作りなさい。」というものがある。
いわゆる「売買ルール・取引ルール」というものだ。

ここをクリックしてみてほしい。(Google検索結果)
ルールを作ること。作ったルールを破らないことが常套手段として語られていることがわかる。

ルールを作ることは決して悪いことではない。
プロのディーラーの世界にも売買ルールはあるし、システムトレード(自動売買)はルールの固まりだからだ。

取引ルールとはこのようなものだ。

  • 損失がいくらになったら持ち株を売って損切りする
  • 資産の◯%の損が出たら持ち株を売って損切りする
  • 株価が◯◯円になったら持ち株を売って利益確定する
  • ◯%利益が出たら持ち株を売って利益確定する
  • その他

そう、意外と多くの投資家が「株価が◯◯円になったら利益確定する」、「◯%利益が出たら株を売却する」というルールを設定しているのだ。

ルールは決して破らないこと

仮に「イー・アクセス株が20,000円になったら株を売却する」というルールを決めていても、今回の件は特殊で、イー・アクセスの株価が52,000円に近い所まで上昇する可能性が「極めて高い」。
つまり、「ルールを破って」52,000円近くまで持ち続けた方が良い結果に繋がる可能性が極めて高い。

しかし、株式市場ではこのような声も多い。
『ルールを破ったから破綻した』
『ルールに従わなかったから破綻した』

ルールに従わないと破綻する
これもまた株式市場の既成概念として存在している。

つまり、『取引ルールを作り、そのルールを絶対破らない』と決めた人にとっては、周りがいかなる状況にあっても、ルールを守って取引することが絶対なのだ。

ルールに従って取引することがすべてであり、「ルールに従わないと破綻する」、ルールを破ったら神様から天罰が下ると思っている人もいるかもしれない。
日本人は真面目な性格の人が多いので、この考え方を持っている人は、私たちが考えている以上に多いと思う。

結局彼らは

結局、彼らはルールを守って取引することがすべてであり、2万円で売却したイー・アクセス株がその後5万円にまで上昇したとしても、悔しいとは思わないだろう。
ルールを守って取引できたことが、彼らにとってのミッション達成というわけだ

このように、合理性にもとづかないで機械的に売買してくれる投資家がいるからこそ、株式市場には歪みが発生する。
100%ノーリスクとは言わないが、そこに絶大なチャンスがあることは事実であり、これは株式市場に限らず、リアルの世界においても同じことが言えると思う。

最後まで読んでいただきありがとうございました

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