時間を売れ!超速スピードで勝つ「即時ビジネス」はなぜ成り立つか?
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前回のエントリーで、「私は時間をお金で買うことを意識している」と書きました。
今日はその逆で、「時間を売る」という視点で成り立っているビジネスを紹介します。
人の変わりに何かをやってあげる「代行業」という意味ではありません。
「スピードが金を生む。」
こう考えるといろいろなビジネスの優位性が見えてきます。
スピードを利益に変えるいろいろなビジネス
Web業界では、サイトの表示速度が大事だと言われています。
Amazonによると「Webサイトの表示速度が0.1秒遅くなると、売上が1%減少する」のだとか。
たしかに、表示されるのが遅いページを見るのはストレスですよね。
つまり、人はとにかく「待つのが嫌い」なのです。
Amazonプライム – 注文商品が今日届く
スピード配送で有名なAmazonは、私もよく利用しているサービスです。
Amazonで注文した商品は、ほとんどの場合翌日には届きます。
しかしAmazonには、有料会員サービス「Amazonプライム」というより速く注文商品を届けてくれるサービスがあることをご存知でしょうか?
年会費3,900円を払ってAmazonプライムに入会すると、お急ぎ便での配送が可能となり、配送スピードが格段にUPします。(普通に注文当日に届いたりします)
お急ぎ便が利用できるAmazonプライムは世界中でも人気サービスへと成長しています。
12月の第3週のクリスマスシーズンにAmazonプライムの会員になったユーザーは、世界で100万人以上となり、現在全世界で数千万人の人が「お急ぎ便」を利用しています。
つまり、Amazonプライムは「配送スピード」を売ることで、年会費を獲得しているのです。
参照:Amazonプライム会員、クリスマスに100万人以上増加
O2O – 店舗の在庫開示
最近は「O2O(Online to Offline)」がインターネットビジネスの重要キーワードの一つになっています。
O2Oとは簡単に言うと、リアル店舗(Offline)とネット(Online)をヒモ付けることです。
O2Oの事例に、リアル店舗の在庫情報をネット上で表示するというものがあります。
なぜこのようなことをするのかというと、「リアル店舗はネットより値段が高い。でも、今日欲しいからリアル店舗で買いたい」というニーズがあるからです。
ネットで買うと2,900円。
でも、徒歩3分の近所の電気屋さんに同じ商品が3,000円で売ってたら、100円高くても自分で買いに行った方が早い。
こう考える人は少なくないはずです。
このように考えると、近所の電気屋さんの値段設定は「すぐに商品を提供できる時間分の値段が上乗せされている」と考えることができます。
消費者金融 – なぜ高金利?
アコムやプロミスのような消費者金融もスピードを売る「即時ビジネス」です。
住宅ローン金利が年利1% を下回るご時世において、消費者金融は年利18%の高金利でお金を貸しているわけですが、それでも消費者金融(サラ金)利用する人はたくさんいます。
サラ金でお金を借りる理由は、大きく分けて2つあります。
①他で借りられないから
消費者金融は銀行などに比べて審査基準が緩く、借りやすいです。
しかし、誰かれ構わず貸していたら、もちろん「貸し倒れ・焦げ付き」が発生し、ビジネスとして成立しません。
だからこそ、銀行よりも貸し倒れ率が高い分、消費者金融の金利は高く設定されているのです。
②今すぐ借りたいから
消費者金融のもう一つの特徴として、「最短で即日融資ができる」というものがあります。
申し込んだその日のうちにお金を貸してくれるので、急な出費に対応できるのです。
実はこれが、大きな優位性になっています。
例えば「明日の友達の結婚式の祝儀で渡す金がない!」という時。
友達の結婚式は明日であり、先延ばしにはできないイベントです。
このような場合に、「来月の給料日まで待つ」、「銀行に融資申込みをして審査してもらって…」という選択肢はありえません。
例え年利18%だろうとも、「今すぐお金が必要」だからこそ、消費者金融の存在価値があるのです。
最近の消費者金融は
- 申込み後30分程度で融資OK
- コンビニATMから24時間いつでも引き出し可能
という、融資において最速最強の利便性を提供しています。
消費者金融と言うと、悪どいイメージがありますが、肯定的に見れば立派に消費者の生活を支えていると言えます。
「パチンコの軍資金が尽きたから30分以内に資金調達して席に戻らないとっ!!」
もちろんこれは絶対にNGパターンですが…
DCMXゴールドカード – ドコモショップで待ち時間なし
NTTドコモが展開しているクレジットカード「DCMXカード」でも、スピードを売るサービスを提供しています。
2014年3月で終了してしまうのですが、DCMXゴールドカードの特典の中に「ゴールドレーン」というものがあります。
■ゴールドレーン(2014年3月で終了)
ゴールドレーン設置ドコモショップにおいて、DCMX GOLDカードをご提示いただくことにより、携帯電話に関するご注文を優先的に受け付けます。(参照)
携帯ショップの待ち時間って混雑してるとかなり長いですよね。
しかし、有料年会費のDCMXゴールドカードを持っていれば、どれだけ混雑していても並ぶ必要がありません。
「ドコモショップで並ぶのは絶対嫌だ!」という人にとっては、1万円以上の年会費を支払ってでも、DCMXゴールドカードを作る大きな理由になるのです。
また、USJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)にも「ユニバーサル・エクスプレス・パス」という時短チケットがあります。
通常の入場チケットよりも割高ですが、アトラクションの待ち時間を短縮できます。
ジョブセンス – 成果報酬でも急募に対応
成果報酬型の求人サイト「ジョブセンス」では、求人広告の宣伝費用が一切かかりません。
宣伝費用は無料ですが、もしジョブセンス経由で求人が決まったら、成果報酬として広告費用が発生するビジネスです。
宣伝にはお金が一切かからないので、みんなタダで求人を出せます。
大企業や中小企業、募集人数に限らずみんな一律で無料なので、広告枠に差別化が起こりません。
しかし、中にはすぐにでもバイトが必要な「急募」の会社もあるはずです。
「急募」に対応するためにジョブセンスが行なっているのが「成果報酬費用を上げる」ことです。
例えば通常の成果報酬費用が10万円のところを30万円にする。
その代わり、ジョブセンスのTOPページに広告が掲載されるなど、ジョブセンスが積極的にその求人を紹介してくれます。
ジョブセンスは「プレミアム料金」を請求することで、「急募」に対応しているのです。
これもスピードを売っていると言えます。
スピードは突き詰めると利便性である
「スピードを売る」ことはつまり、「利便性を売る」と言い換えることもできます。
私は、お金が貯まらない人に「まずコンビニの利用をやめろ」とアドバイスすることが多いです。
私がなぜそのようなアドバイスをするかというと、コンビニを日常的に利用すると、じゃぶじゃぶとお金が消えていくからです。
コンビニの特徴を3つあげます。
- どこにでもある(場所)
- なんでも買える(物)
- いつでも利用できる(時間)
これを利用シーンに当てはめると、
- ご飯食べたいなぁ → コンビニへ
- コピーできる場所ないかな → コンビニへ
- ATMでお金をおろしたいけど銀行は閉まってる → コンビニへ
何かあった時に、すぐニーズに答えてくれる「コンビニのスピード感」はハンパないです。
コンビニは利便性においては最強のサービス業と言えます。
だからこそ、「定価販売」が成立するんです。
先ほどのO2Oと同じく、「少々高くてもすぐ手に入るから利用する」。
これがコンビニの良さでもあり、怖さでもあると私は考えています。
いかがでしたか?
「スピードを売る商売」には
- 時間をプレミアム料金で売るケース(Amazon、USJ、ジョブセンスなど)
- 時間の価格が料金に内包されているケース(サラ金、コンビニなど)
の2つがあります。
時間による料金が内包されているケースは、ぱっと見気づかないことも多いです。
せっかくなので、私のビジネスについても考えてみました。
株式会社クートンでは、主に情報サイトを手がけています。
インターネットの情報サイトは広告収入によって運営されている場合がほとんどですが、実際に商品・サービスをユーザーに提供するのは広告主であって、私たちではありません。
では、情報サイトを運営している私たちが提供しているものは何なのか?
これを考えると、情報サイトでは
- わかりやすく伝える(ユーザーの理解を助ける)
- 商品を比較する(購買行動の促進)
- まとめられた情報を配信する(情報収集時間の短縮)
と定義することができ、クートンも「ユーザーにスピードや時間を提供している会社」と言えるのかもしれません。
その他にも、時短ビジネスは色々な所にあると思います。
アンテナを張って生活していると「おっ」と思えるものも見つかると思うので、もし見つけたら私にも教えてくださいね。
最後まで読んでいただきありがとうございました
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