羽生善治に学ぶリスクの取り方!経営者はなぜ行き急ぐのか?
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以前投稿した記事「目標達成率を70%上げるための逆算思考法」にも少し書きましたが、目標は期限付きで立てると効果的です。
「いつか結婚できたらいいなぁ~」よりも「30歳で絶対に結婚する!」
「いつか自分の店を持ちたいなぁ~」よりも「35歳までに1,000万円貯めて自分の店を持つ!」
の方が意識の持ち方が違うので、目標の達成率も高くなるわけです。
このような考えかたは周りからみると「生き急いでいる」と思われがちです。
しかし、経営者の人はこの「生き急いでいる思考」の人がすごく多いです。
少しでも早く会社を大きくして、誰よりも早く新規事業をはじめよう。みたいな。
普通の人からは理解できないかもしれませんが、「資金調達」と言って、より早く事業を拡大するために、借金をする会社も少なくありません。
業績は順調で借金をする必要はないのに、「時間を金で買う」ために資金調達をする経営者も多いのです。
経営者はなぜ行き急ぐのか?
では、なぜ経営者は生き急ぎ、少しでも早く目標を達成しようとするのでしょうか。
その理由として、私は「リスクは時間の経過とともに増大するから」だと考えています。
市場規模
たとえば、事業を始める時に大切な指標として「市場規模」があります。
市場規模がまだ小さい時に、「将来この事業の市場規模は大きくなる」と予想していち早く事業に参入した場合、リスクも大きいですが、当たればリターンも大きいです。
誰よりも早く仕込みを開始しているわけですから。
逆に、市場規模が大きくなってから参入すると、すでにその市場は大きくなっているので一見リスクは小さく見えますが、逆に市場が縮小していくリスクにさらされます。
大きなリターンを得るためには、その市場がさらに大きくなる必要がある一方で、市場の縮小リスクがあるので、参入が遅すぎるとリスクとリターンが見合わないケースも少なくありません。
わかりやすい例でいうと、スマホアプリの「LINE」がこれでもかというぐらいに流行ってから、モバゲーを運営しているディー・エヌ・エーが「COMM」というアプリを開発して発表しましたが、すぐに消えました。。。
さらにその後、ミクシィが無料通話アプリをリリースしましたが、COMMならまだしも、ミクシィの無料通話アプリに至っては名前や存在すら知らない人の方が多いでしょう。
ライバルの参入
基本的に大きくなるビジネスにはライバルが付き物です。
せっかくチャンスを掴んでも、ライバルが少ないうちに事業を拡大してシェアを獲得しておかないと、あっという間にライバルが増え、簡単にはシェアを拡大できなくなってしまいます。
さらに、ライバルに抜かされてシェアが逆転すると、せっかく自分たちが先にはじめたビジネスだったとしても、その優位性は失われ、逆にもう追いつけなくなるリスクも出てきます。
このように、経営においてスピードが遅いことはリスクの増大を招き、場合によっては命取りになりかねないため、行き急ぐ経営者が多いのです。
少しでも若い方がリスクは負いやすい
「時間とともにリスクが増大する」のは経営に限ったことではありません。
私たち人生においても、「若い時の方が色んなことができる(リスクを負いやすい)」のは一緒です。
人生の中で、すこしでも若い時の方がリスクは小さくすみます。
ここではわかりやすく「起業」を例にしてみます。
【10代で起業】
失敗しても親が補償してくれる
【20代で起業】
失敗してもまだ全然やり直せる
【結婚してから起業】
守るべきものがある
【子どもが生まれてから起業】
子育てにかかる養育費が必要
【40代で起業】
失敗すると再就職が難しいかも?
【50代で起業】
取引先の20歳も30歳も年下の人間に虐げられるストレス
(起業したては誰も相手にしてくれませんから・・・)
【60代で起業】
病気でダウンするリスクや体力的にも不利
「あのスティーブジョブズですら失敗した、30歳からの再スタート」に書いたように、人生何歳からでも決して遅くはありませんが、年齢を重ねるにつれて身動きは取りにくくなってしまう現実は避けられません。
また、一般的に人は年齢を重ねるにしたがって必要な生活コストが増えていきます。
年をとると、結婚したり子どもが生まれたり、家を買ったり車が必要になったり、親の介護が必要になったり、身体の自由が効かなくなったり、人脈の拡大によって飲み会が増えたり、社会的な責任も大きくなります。
つまり、あらゆる面で背負うべきものが増え、生活コストが大きくなるのです。
そのような状態で、一から起業するとなれば「失敗できない、すべての生活費用をまかなうだけの稼ぎが必要」となり、ハードルは大きく上がってしまいます。
ここで改めて10代で起業した場合を考えてみます。
10代ならまだ学生なので、働く必要なく朝から晩まで時間が使えますし、失敗しても親が補償、将来の就職に影響もないですし、何かあれば先生や年上の経営者から喜んでアドバイスをもらうことができ、法律面で失敗しても若いから仕方ないね。となりますし、実家暮らしなら月に5万円売上があれば生活費用も十分すぎるぐらいまかなえるでしょう。
年齢を重ねてから起業した方が、経験や熟練度があるので成功しやすいという意見もありますが、やはり「若さ」には到底かなわないと思います。
ただ、あまりに生き急ぎすぎると(ライブドアじゃないですが)スピードの出しすぎで事故ってしまう事が多いのも事実です。
無理な借金をして失敗した会社、無理をして何かを犠牲にしてしまった人、決して少なくありません。
羽生善治に学ぶリスクの取り方
将棋で有名な羽生善治さんの書いた有名な本「結果を出し続けるために」に、羽生さんのリスクに対する考えを示した記述があります。
特徴をまとめるとこのような感じです。
①リスクは小出しで取る
毎回少しのリスクを取り続ける。それを20回、30回と繰り返す。
②リスクを取ること自体の快感には注意する
スピード狂状態にならないこと。
③時代や環境に合わせてリスクを取る
外側で起こっていることや進行していることとの関係も大切。
変化が早ければそれに合わせてリスクをとらなければならないし、どれだけリスクを取っても変化がないような状況であれば、じっとしていればいい。
①は、リスクは小さくても良いので取ることが大切だと書かれています。
行き急ぐ必要はなくても、ちょっと駆け足を意識してみることが大切だと思います。
②は、まさに先ほど書いた話になりますが、事故らないように注意しないことです。
③は、「物事にはタイミングがある」ということです。
起業に例えるなら、景気が悪い時に起業しても倒産する可能性が高いですが、景気が良い時に起業すれば倒産の可能性も低いということです。
しかし、じゃあ景気が良くなってか起業しよう。というのではなくて、景気が悪い時に起業して生き残ることができれば、景気が良くなった時に優位性を保つことができる。
まさにリスクをとった分得られるリターンも大きいです。
ということで
ちょっと生き急いでるかも。。って思っても、できることなら、若いうちにやっておいたほうが良い結果に繋がりやすいです。
少し前に話題になった「いつやるか、今でしょ!」は名言だと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました
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