一人会社から、人を雇うことになりました
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これまで3年間、ずっと一人で仕事をしてきました。
個人事業を2年間、そして法人として1年間。(会社設立の経緯などはこちらにまとめています)
例えば、24時間営業のコンビニを経営した場合、最初から人を雇わなくてはビジネスそのものが回りません。(一人でコンビニやってたら、寝不足で倒れてしまいます)
しかし、弊社の場合は無理に人を雇わなくてもすべて一人で完結できる事業内容であり、実際に同業の方もそのほとんどが一人で仕事をやっておられます。
かくいう自分も、創業当初から人を雇うべきかどうかについては自分の中で議論を重ねてきましたが、結論はいつも「一人でいいや」で落ち着いていました。
会社が人を雇う理由
会社が人を雇う理由はさまざまです。
- 人を雇わないと、そもそもビジネスが回らない
- 社会貢献のための雇用創出
- よりよい仕事をするために、チームワークのある仕事がしたい
- さらなる成長のため
おおむねこのような感じ。
じゃあ、自分はどのような理由で人を雇うのか?を考えてみたところ、
- 一人でもやっていけるビジネスである
- 特に社会貢献のために雇いたいとは思っていない
- チームワークというよりむしろ一人を好む性格である
- さらなる成長のため(これが答え)
という結果になりました。
弊社は、「さらなる成長のため」に人を雇うのです。
では、なぜ「さらなる成長を目指すのか?」を考えてみたところ、一般的な企業はおおむねこのような理由になるのではないかと。
- もっとお金を稼ぎたい
- 世の中や顧客にもっと大きくて良いサービスを提供したい
- 人が成長を求めるのと同様に、もっと刺激が欲しい
- どれだけ稼いでも不安
などが理由になると思います。
私がなぜ、さらなる成長を目指すのかを考えてみたところ、この中では「どれだけ稼いでも不安」が一番近い理由になるような気がするのですが、どれも外れていると思いました。
私が成長を求める理由は「もっと多くの人に何かを伝えたい」というのが大きいような気がします。
「もっと多くの人に何かを伝えたい」ために、さらなる成長を目指すというのは、一般の企業の目的とはかけ離れたものであり、どちらかというと私個人の目的に近いです。
私は、引きこもりのニートから個人事業主になり、会社を立ちあげました。
それほど大きな苦労をしたという感覚はありませんが、自営業として起業し、会社まで作ることは、誰にでもできることではありません。
自分でも驚いているのですが、なんとなく「レアな人生を歩んでいる」という感覚はあります。
自分でいうのはめちゃめちゃ恥ずかしいのですが、「誰でもなれるわけではない、数少ない成功者になりつつある」という感覚がないわけではありません。(何をもって成功というのかは人それぞれですが)
そして成功者の中でも、私は東大卒でも一流企業出身者でもなくて、「学歴なし、職歴なしのただのニート」です。
だからこそ、自分には人に何かを伝えられる説得力があるんじゃないかと、そう思うのです。
東大卒じゃなくて、ごく普通の人間だからこそ、成功の課程で伝えられることがあるんじゃないかと。
正直、私はあまり「成功者」というものに興味がありません。
大金持ちになりたいとか、名声が欲しいとか、そういう願望は元々ありませんでした。
(ずっと音楽をやってたので、お金がなくても音楽で有名にならなくても、ただずっと音楽を作っていければいいと思ってた)
起業したいと思ったことや、社会のために何かしたいと思ったことも一度もなくて、起業はきっかけにしかすぎなかったという感じです。
それでも私が成長・成功志向を捨てない理由は「私が何かを成し遂げ、自分が何者かになることが、人に良い影響を与えることができる」と思うからです。
そして私は少なくとも現時点で、その資格とチャンスを持っている、と。
そしてそれは誰でも簡単に手にすることができるものではない、と。
だから自分はさらにチャレンジしたい、もしくはチャレンジする義務があるのではないか、というのが、弊社が「さらなる成長を目指す理由」です。
なんとなく自分本位ではなくて、他人本位になっているので、これっていいことなのかわかりませんが、嫌々やっているわけではないので、とりあえずやれる所までやってみようかなぁという感じでやってます。
下りエスカレーターを上っているようなもの
そしてもう一つの理由。
これは先ほどの「どれだけ稼いでも不安」にも通じるところがありますが。
何かの本に「人生や経営は下りエスカレーターを上っているようなもの」と書かれていたのが印象的で心に残っています。
企業とは、立ち止まっていては下がる一方であり、成長しようと思うぐらいでようやく現状維持、よほど頑張らないと階段を上がることはできないと。そういうものだと思います。
しかし、適度に頑張る「現状維持」というのは実は最も難しいものであり、私は「上がる」か「下がる」の2択しかないと思っています。
チャンスがあれば、チャレンジする。
チャレンジしなければ、下がっていく一方だ。と、そう思うのです。
企業として会社を作ったからには、生き残りたい。
存続するために成長・成功志向を捨てないというのがもう一つの理由です。
人を雇うにはお金がかかる
人を雇うには、とにかくお金がかかります。
今回は最終的に、最初から正社員登用し、社会保険もガッチリ完備することにしたので、それだけで、これまで一人でやってきた自分からすると、想像もつかないお金が出て行くことになります。
人が増えると、新しく事務所を借りる必要もあります。
その他にも多くの費用がかかることになり、まだこれから雇用しはじめるという段階なのに、すでに個人の金銭感覚からすると膨大な資金を投下しました。
そしてもう一つが「時間のコスト」。
一人でやっていくのであれば、自分だけが仕事のすべてを理解していれば問題ありません。
しかし、雇用すると、各種手続きだったり、従業員への説明など、とにかく「時間のコスト」も膨大にかかります。
今回は結果的に、ほかにないベストな方を雇うことができたと思っていますが、それでも人を雇うことでさらなる成長を実現するためには、よほどの努力が必要なのだなぁと感じる毎日です。
人を雇うということは、その人の人生を背負うということです。
もちろん会社側からリストラしたり、雇用者から退職をすることもありますが、うまくいくことを前提に考えるのであれば、人を一人雇うのに数億円が必要です。
(優良企業の生涯年収だと従業員に払う金額は3億円とかになりますが、保険や会社設備を乗せるとそれどころじゃありませんよね)
もちろん上手く行くことを前提に考えるので、人を一人雇用した時点で、義務はないにしても、私には生涯にわたってそれだけのお金を払っていく必要があるのだなぁと。
だんだん余裕がなくなってきている話
今年は事業を始めて4年目になりますが、最初の1年目に比べると、年々余裕がなくなって来ていることに気が付きました。
扱うお金の金額も増えましたし、段々苦しくなっているのではないか?、焦っているのではないか?、など「なぜ年々余裕がなくなってきているのか?」、その理由を真剣に考えていた時期もあります。
しかしそれは、成長の結果であり当然のことなのだと気が付きました。
一人でこじんまりと立ち上げた会社も、いつの間にか「だんだん本格的な会社っぽくなってきた」ということです。
成功するために必要なこと
私は、あらゆることで成功をおさめるためには「チャンスをものに出来るかどうか?」がもっとも重要だと思っています。
「チャンス」というものはそれなりに平等に人に与えられていて、「それをものにするかどうか」が個人の資質によるものだと。
目の前のチャンスに気づかないことや、尻込みしてチャンスを見送ることを、「損失」(いわゆる機会損失)と捉えられるかどうか。
私はサーフィンをやったことはありませんが、「大きな波が来た時に、その波に立ち向かう勇気をもち、失敗するリスクを自分の中で許容し、上手く波に乗る」。これが成功をおさめるためには大切なことだと思うのです。
そして、そこで成功をおさめた者だけが、より大きなチャンスと成功を得る資格を得るのだと。
チャンスを掴むためにチャレンジをし、失敗することはもちろんあります。
しかし、失敗を恐れてチャレンジをしなければ、(特に企業の場合は)下りエスカレーターを下りきってしまい、取り返しがつかない状況になります。
何かを続けたり、より良い状況にするためには、リスクを取り続けるしかないのです。
チャレンジすることはとてもしんどい
事業を始めてから、わりと順調でトントン拍子に上手くいっているような気がします。
- まず個人事業主として事業化した(ニート脱出)
- 個人事業主から株式会社に法人化した(株式会社の社長に)
- 一人での作業をやめて人を雇うことにした(中小企業の経営者に)
すべてはリスクを取り続けてきた結果、つまりチャレンジし続けてきた結果です。
新しいことにチャレンジする時はいつも、変化を恐れて深く悩み続けます。
何かにチャレンジすることは、とてつもなくエネルギーのいることですし、しんどいです。
今回、従業員の雇用を決めたのも、正直言ってかなりしんどい決断でした。
雇わないという選択肢をとり、現状維持に甘んじることがどれだけ楽か。
しかしそのような気持ちも、「ここまでこれた自分には、さらなるチャレンジをする義務があるのではないか、ここまで来ることは誰にでもできることではない。自分がさらなる成功事例を作ることで、何かを伝えられたり、誰かの活力になれるではないか。」という想いによって、突き動かされました。
ソフトバンクの孫正義がいつまでもリスクを取り続け多くの人に勇気を与えているように、自分もリスクを取り続け、少しでも多くの人に何かしらの影響を与えることができれば、それこそが自分の本当の価値で、自分が目指すべきことだと思うのです。
逃げることを忘れたくない
最後に、リスクを取り続けると、いずれ必ず失敗します。上手く行かなくなることがあります。
しかし、これは「リスク」をとっている以上、しかたのないことです。
そんな時のために、私はいつも逃げることを忘れたくない。
今回の雇用が仮に上手く行かなかったとして大きな損失を出しても、何かのきっかけで全財産を失うことになっても、恥ずかしさを捨てて失敗を認め、素直に「失敗しました」と笑って済ませられる気持ちを忘れたくないと思っています。
リスクをとって成長を続けることはやめない、でも決して背伸びしすぎず、自分のペースでやっていく。自分の実力を客観的に評価し、自分の器量をわきまえる。
こんなことを考えながら、4月から新しいスタートを切りたいと思います。
この記事へのコメント
この記事では、以下のコメントをいただきました。
(現在はコメント欄は閉鎖しています。)
コメント件数 [4件]
初めまして、今春大学を卒業した22歳の女性です。
いつもこのブログを読ませていただいています。人を雇われたのですね!一人で事業を始められて、個人事業→一人会社→中小企業と、確実に階段を登っていていらして本当にとすごいと思います。
私は去年就職活動をしていて、今の自分が会社という組織の中でやっていけるとどうしても思えず、挫折しました・・。
将来どうやって生きていくか、インターネット等で模索していたところ、個人事業主という働き方を知りました。それから、オンライン物販事業を小さく始めてみようと思い、バイトによる資金作りや、事業や税金に関する勉強等の準備をしてきました。(川原さんの記事はとても参考にさせて頂いています!)
しかしその決意から今に至るまで半年間、他人の否定的な意見や、自営につきまとう責任を確認するたび、「やはり就職したほうがいいのではないか」「でも就活なんてもうとてもできる気がしない・・・」「でも個人事業なんて自分にはとても・・・」と、何度も何度も気持ちがブレて、結局立ち往生しています。
そこでご相談なのですが・・・
とりあえずむこう1年間は個人事業に集中することだけを考えよう!と思うのですが、これから事業を初めても、何度もこうしたブレが出てくるのが目に浮かびます。
そこで、大変恐縮ですが、個人事業主に付きまとうモチベーションの低下や、失敗による挫折感を乗り越える、コツというか考え方を持っていらっしゃれば、アドバイス頂けませんでしょうか。事業が安定してくるまでにネガティブな感情を抱いたとき、川原さんはどのように乗り越えてこられたのか、教えていただきたいです。
もちろん自分で自分の気持ちをコントロールするしかないし、川原さんと私では素質や背景が違いすぎるかもしれませんが・・・是非知れたらと思っています。
お忙しい中、長文・駄文の上、大変私的な文章を読んで頂き本当にありがとうございました。
moru | 2013年4月 1日 22:26
コメントありがとうございます。
私からのアドバイスを一言で言わせていただくと「今すぐ開業すべき」に尽きます。
ちょうどよい時期ですので、4月中に開業届を出して個人事業主になり、貯めたお金でプリンターなど必要な設備を購入し、事業をスタートさせてください。
お金が足りない場合は、「今ある資金でどうにかならないか?」を考えて小さくスタートしてみてください。
まず、事業を開始するにあたって事業や税金に関する勉強をされているとのことですが、そういったものは事業をしながら学んでいけば十分です。
私は事業をスタートした際、税金のことも事業のことも何も知りませんでした。
「個人事業主になるためにはどうすれば良いか?」だけをググって、すぐに開業したのですが、結果、個人事業主になるために必要なのは、「開業届」一枚だけでした。
気持ちのブレや、モチベーションの低下、挫折感についてですが、個人事業主として走り出してしまえば、悩む暇もないので心配しなくてもいいですよ。
(生活がかかっているので)
自営につきまとう責任(無限責任のことを言っているのだと思いますが)なども、無視していいです。
moruさんはまだ22歳とのことなので、失敗しても全然平気ですし、それが何よりの武器だと思います。
準備はもう十分なので、勢いで4月中に開業してください。
そして、とりあえず1年で廃業しないように頑張ってみてください。
もし1年目で失敗しても、その若さなら取り返しは十分つきますし、得られるものは大きいはずです。
逆に今始めなければ一生、開業の準備に時間を費やしてしまう可能性もあります。
起業したいという人は多いですが、実際に起業に至る人は極めて少ないです。
思い切って起業してしまえば、その時点で起業を目指す多くの人達から一歩抜きん出ることができ、「驚異的な22歳の若手起業家」が誕生します。
管理人 | 2013年4月 2日 03:24
管理人様、丁寧なご返信を本当にありがとうございました。
本当にその通りで耳が痛い限りです。準備ばかりして、うじうじ考えて、本当に生産性のないことをしてきたと思います。開業届けを出してとにかく仕事を始めます!
「生活がかかっている」というフレーズを読んで、私は実家に暮らしているため、こうして何もせず悩んでいるだけでも生活できる状況に結局甘んじていたのだなあと感じました。
とにかく1年間廃業しないことだけを考える・失敗してもやり直せるという前提で、雑念を捨て事業に集中してみたいと思います^^
最後に、もし何か失礼なところがありましたらすみませんでした。おこがましいご相談に答えていただきありがとうございました!
moru | 2013年4月 2日 10:06
いえいえ、また何かあればいつでもコメントどうぞ^^
管理人 | 2013年4月 2日 13:26
最後まで読んでいただきありがとうございました
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