ダイアリー

マルチの勧誘を盗み聞きしてきたので

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マルチの勧誘

この前、外で飯を食っていたら、隣のテーブルでマルチの人が勧誘をしている現場に遭遇した。

マルチの勧誘を受けたことがある人は多いと思う。
古い友だちがいきなり連絡してきたら、マルチの勧誘だったというのはよくある話。
しかしお恥ずかしながら、僕はこれまで一度もマルチの勧誘を受けたことがないぐらい、友だちが少ないのだ。
「マルチの勧誘でもいいから誰か俺に電話してこい!」と冗談で言っていたことすらあるぐらい・・・

で、せっかくのチャンスなので、徹底的に彼らの話を盗み聞きすることにした。

話を聞いて思ったこと

話を聞いていると、「金持ち父さん」とか、「砂漠で水を売る」とか、「首にネギを巻くと風邪が治るという斬新な発想」とか、いかにもなキーワードがバンバン飛び出してきて、「これがマルチの勧誘かw」という感じだったのだが、大枠はこうだ。

なぜ人はマルチにハマるのか?

少し話を聞いていて、僕が自分なりに分析した結果はこうだ。

基本的にほとんどの人間は「自分は平均よりも頭がいい、優れている」と思っている。
しかし、世の中は競争社会であって、自然と優劣が生まれる。
そうなると、「本人は、自分は優れていると思っているのに、社会的な評価はそうではない」という矛盾した状態がおこる。

「自分は正当に評価されていない」、「自分の人生はこんなはずじゃない」と思っている人はとても多いのだ。
多くの人は現状の自分に満足していないし、人生というものに不安と不満を抱えている。

マルチの人は、そんな心のスキに入り込む。
人は人生に不安と不満を抱えているからこそ、「自分を褒めてくれる人」、「自分を評価してくれる人」、つまり「承認欲求」を満たしてくれる人や、「安心」、「大丈夫」と言って「安堵感」を与えてくれる人に信頼を置いてしまう。

マルチの勧誘はとにかく「夢を売る」のが仕事だ。
なにやら難しくて賢そうなキーワードをはさみながら、とにかく「あなたはできる」、「夢はかなう(欲望は実現する)」ということを相手にインプットしまくることに尽きる。
これによって相手の「承認欲求」と「安堵感」を満たすことができる。

ここまでくればあとは「宗教」と同じ。
心の中の満たされないものを満たしてくれる人の所に人は集まる。
なぜなら、その人のそばにいれば「その人のようになれるかもしれない」と思うからだ。

例えば、ホリエモンという成功者がいる。
ホリエモンの本とブログを読んで、メルマガを購読してセミナーに出向けば、賢くなったような気になり、自分にもできそうな感じがし、成功者のノウハウを学べている気がし、現実には全然評価されていない自分も、ホリエモンのようになれるのではないか?と思い始める。(堀江さん、悪い感じで例に出してすみませんー)

結果、マルチの人は夢を売り続け、勧誘を受けた人は夢を買い続ける。

一度、お金を引っ張ればもう簡単だ。
あとは、セミナーなどでモチベーションを保たせながら、サンクコスト効果(一度お金を払ったら損したくない、なんとしてでも取り返したいという強い気持ちが働く)によって人は泥沼にハマる。

マルチの勧誘に、自分の中に眠っていた欲望を引き出され、やる気・その気にさせられる。
(後述するが、ここまでは別に悪いことだと僕は思わない)
で、実際にやってみると、やはり儲けることは想像よりもはるかに難しいという現実に気づく。

もうお金は払ってしまった。
後戻りできない、ぜったいに損はしたくない。

もしかして俺、騙された?そんなはずはない。
騙されたなんてかっこ悪い。

この俺が騙されるわけがない。
なぜなら俺は人より頭がいいのだから。。

という感じで、泥沼にハマる。

言っていることはわりとまとも

マルチの話をすると、「マルチ」と聞いただけでアレルギー反応が出たり、バカにする人はすごく多い。
でも、実は彼らが言っていることは結構まともだったりする。

彼らの手法は基本的に、以下の2つの手順は変わらない。

①現状の不安・不満をあおり、やる気にさせる(起業しようぜ!とか夢を与える)

②ハメる

つまり、「①」の段階で言っていることは心底まともで、モチベーションアップとか自己啓発の類となんら変わりない。

モチベーションアップとか、自己啓発は悪いことではない。
気持ちを前向きにさせたり、思考停止状態に陥らないよう、「成長、成功志向」に自分の脳をマインドセットすることはむしろいいことだと私は思う。

彼らが悪どいのは「②」の部分。
目の前にある「どこでもドア」を開ける勇気を与えて、ドアを開けたらガケしかありませんでした、みたいなのがマルチ。

結局

結局、「持ち上げられて落とされる」というのは、マルチに限らず、「失敗」の典型例です。
周りから何か言われたり、変に持ち上げられたりする、いわゆる受動的な情報によって「我を失ってしまう」状態に陥る。

そうならないためには、「自分の頭で考えたり、自分で判断したり、自分で決める」ことが何より大切です。

じゃあ、「自分の頭で考えたり、判断したり、自分で決める」にはどうすればいいか。
それは「人の意見は聞かないこと」です。

■こちらのエントリーもどうぞ!
僕が人生で学んだこと。それは『人の意見は聞くな』だった

この記事へのコメント

この記事では、以下のコメントをいただきました。
(現在はコメント欄は閉鎖しています。)

コメント件数 [3件]

はじめまして、私自身、10年前、ネット上で海外サプリを扱うマルチに引っかかったことがあります。
まさに「金持ち父さん」が出版されブームになっていたときです。
参加者にHPを作らせ、ネット上で会員を勧誘していく仕組みです。
1万円ほど購入させられ、ムリがあると気づき、すぐ辞めました。
今回の記事は耳に痛いです。
あのときは何も考えてませんでしたね。
情報商材も似たような売り込みしてきますね。
 
その人のそばにいれば「その人のようになれるかもしれない」と思うからだ。・・と書かれていますが、
私自身、川原さんのようなネットで自活できる人間になりたくて、ブログとツィッターを拝見させてもらってます。けっこう、そういう人多いんじゃないかな?

名無しさん | 2013年3月29日 11:43

コメントをいただきありがとうございます。

10年前の件、たいへんでしたね。
マルチは昔から、そしてこれからもなくならないと思うので、それぞれが仕組みを理解して自己防衛していく必要があると思います。

その人のそばにいれば「その人のようになれるかもしれない」と思うからだ。の部分について。

誰にでも、尊敬できる人がいたり、その人に憧れたり、参考にしたり、そしてその人を追いかけることで「その人のようになれるかもしれない」という人はいると思います。

私も、ソフトバンクの孫さんや、今回例に出したホリエモンが好きですし、ブログやメルマガを購読したり、ツイッターをみています。

好きな人を応援したり、支持したりするのは全然悪いことではないと思うんですよね。
簡単にいうと「ファン」に近いのかもしれません。

以前の記事にも書きましたが、私が重要だと思うのは、そういった人たちのことを「盲目的に信用してしまわないこと」です。

もしお時間があれば、こちらの記事も読んでみてください。

■情報と真剣に向き合う勇気がないと騙されてしまうことがある
http://lifeclip.org/diary/69.html

最後に、ブログやツイッターを読んでいただいているとのことで、ありがとうございます。
これからも頑張ってやっていきますので、どうぞよろしくお願いします。

管理人 | 2013年3月29日 14:28

「崖っぷちネットワークビジネス」という本を読んでみてください。そしてニューウェイズジャパン合同会社という公式ホームページの、ビジネスのページを読んでみてください。日本人は今まであまりにも多くの悪徳商法に騙されてきただけなのです。これから伸びるサプリとシャンプーなどの日用品の良心的な製造メーカーです。すでに生計を立て、数千万円の借金を返済した男性もいます。

本当のマルチとは | 2013年4月 7日 16:24

最後まで読んでいただきありがとうございました

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